大鐵本線紀行(7)下泉へ

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【駅】※急行の為、赤字駅のみ停車。】【→トンネル 〓→鉄橋
家山1229=】【=】【=抜里=〓(本流)=川根温泉笹間渡=〓(支流)=】3本【=地名
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家山駅を12時29分に発車する。かなり多くの団体ツアー客が下車をした。駅を出発すると、右手に大きな駿遠橋(すんえんばし)が見えて来る。古くは、東の「駿河(するが)」と西の「遠江(とおとうみ)」の国境であった事から、名付けられた道路橋である。この橋の袂をアンダーパスする。

駿遠橋を過ぎると、2本のトンネルを連続通過し、大井川から離れる。トンネルを抜け、左右に大茶畑が広がる中を真っ直ぐに走り、左に大きくカーブをすると、抜里駅に差し掛かる。この抜里付近は、沿線一の茶畑が見られる名所になっている。


(抜里駅手前付近。柱の上に付いているプロペラは、茶木の霜よけである。)

スピードを上げつつ、小さなホームの抜里駅を通過。築堤を上がり、長い汽笛を鳴らした後、大井川第一橋梁(長さ275m)を渡る。千頭寄りのカーブ側の対岸には、数人の鉄道ファンがカメラを構えている。この鉄橋は、大井川鐵道沿線一のSL列車撮影地になっており、ポスター等でもよく紹介されている。


(抜里駅手前から助走を付け、築堤を登る。)

(第一大井川橋梁を渡る。)

大井川鐵道最長の鉄橋であり、上流方には、南アルプスの山々が折り重なって見える。アウトカーブ側には、大きな温泉施設もあり、SLの見える温泉として人気がある。なお、撮影がてらに温泉に立ち寄る人も多く、日帰り入浴(大人500円・タオル代別)も出来る。
川根温泉ふれあいの泉公式HP


(大井川の上流方。この付近は、綺麗な汽笛の山彦が聞こえる。)

第一大井川橋梁を渡ると、川根温泉笹間渡駅(かわねおんせんささまど-)を通過。駅手前の大井川側は茶畑であったが、コテージのある宿泊施設になっている。この駅に停車をすると、この先の上り急勾配が登れない為、千頭行きSL急行列車は通過するが、金谷行きSL急行列車は停車する。


(川根温泉笹間渡駅手前。左にコテージが見える。)

川根温泉笹間渡駅先の踏切を通過する辺りから、20‰(パーミル)の上り急勾配が始まる。駅手前から、蒸気機関車の罐を盛んに焚いており、助走状態になってる。右に90度近い急カーブした後に、大井川支流の笹間川橋梁を渡ると、三つのトンネルを連続通過する。この付近が、最も山深い風情がある区間になっている。


(三つ連続するトンネルを通過する。横揺れも大きい。)

三つ目の短いトンネルを過ぎると、切り通しの真っ直ぐな長い上り坂を力行する。ここは、蒸気機関車の煙が期待出来る「地名坂(じな-)」と呼ばれる有名な撮影地である。しかし、車窓からは、木々しか見えず、坂の様子はよく判らない。

地名坂を登り切り、惰性のまま、地名駅を通過する。ホームの先には、有名な日本一短いトンネルがあり、通過は一瞬である。普通の山トンネルでなく、かつて、伐採した木材等を運ぶロープーウェイが上に交差しており、接触事故防止のトンネルが平地に建てられた。


(地名駅と防護トンネル。平成23年訪問時に撮影。)

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【駅】※急行の為、赤字駅のみ停車。】【→トンネル 〓→鉄橋
地名==】【==塩郷==】【==〓(支流)=1248下泉
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地名駅と防護トンネルを過ぎ、その先の地名トンネルを抜けると、大井川の最も広い河原の場所に出る。後半の第一ハイライト区間になり、川に寄り添い、列車も緩やかに左にカーブし、前方に塩郷ダムと長い吊り橋が見えてくる。また、川根温泉笹間渡駅から塩郷駅間の大井川は、「鵜山七曲」と呼ばれ、激しく蛇行している場所になっている。この雄大な景色の区間では、車掌氏の案内放送もあり、人が吊り橋を渡っている場面が見られることもある。


(塩郷駅手前。)

(塩郷の大カーブから、鵜山七曲の大井川下流方を望む。)

大井川に面した単式ホームがポツンとある塩郷駅と塩郷ダムの横を通ると、再び、20‰の上り急勾配が始まり、荒地と木々の中を走って行く。暫くすると、傾斜地の茶畑が広がる横郷集落に差し掛かり、土手の小さな茶畑の向こうに、大井川が流れているのが見える。ここは、大井川と茶畑が一緒に撮れる名撮影地になっている。


(横郷付近の茶畑。平坦地は少なく、右手に横郷集落がある。)


(国土地理院国土電子Web・横川集落)

この先の横郷トンネルに突入し、支流の鉄橋を渡ると、次の急行停車駅の下泉駅に到着する。

(つづく)


2017年7月30日 ブログから保存・文章修正・校正
2017年8月3日 音声自動読み上げ校正

非常に混んでいた為に撮影が難しく、昨春に訪問の写真を一部利用。

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