樽見線紀行(1)大垣へ

一昨日の長良川鉄道訪問と昨日の伊勢志摩めぐりの旅を楽しんだ後、東京に帰る予定であったが、気分も高揚し、もうひとつの路線を訪問する事にした。名古屋駅前の某ビジネスホテルに延泊し、今旅の4日目は、岐阜県西部の大垣を起点とする樽見鉄道に訪問しよう。

今日は、「朝一番、早起き、始発乗車」の掟は守らずに、朝食をゆっくり食べて、7時30分にホテルをチェックアウトし、名古屋駅に向かう。平日の朝なので、通勤通学の人々で、駅はごった返している。なお、天気は徐々に下り坂で、晴れ時々曇りの予報になっている。

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名古屋752======826大垣
東海道本線下り2105F列車・特別快速大垣行
313系8両編成(Y110編成・8号車・クモハ313-5010乗車)
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樽見鉄道が接続する大垣駅までの片道740円の切符を買い、東海道本線下りの6番線ホームへ向かう。名古屋駅7時52分発の特別快速大垣行きに乗車すると、名古屋とは逆方向の為か、七割位の着席で全く混んでいない。線形が良い東海道本線を西に向かって快走し、木曽川を渡ると、直ぐに岐阜駅に到着。発車後は、長良川と揖斐川(いびがわ)の濃尾三川を渡り切り、所要時間約30分で大垣駅1番線に到着する。

列車は、折り返しの快速豊橋行きになり、大勢の人が入れ替わりに乗車する。昔、名古屋口では、国鉄117系の新快速が運転され、初めて乗車した時には、国鉄の新機軸を感じた思い出がある。


(大垣駅に到着。折り返し快速豊橋行きになる。)

この大垣は、濃尾平野の北西部に位置する岐阜県第二の都市であり、大垣城を擁する城下町で、ほぼ日本の中央の位置にあると言われている。


(国土地理院国土電子Web・大垣付近。)

市の人口は約16万人、15本の一級河川の流れと地下水が豊富な「水の都」であり、夏は高温多湿、冬は「伊吹おろし」と呼ばれる西からの強い寒風が吹く、寒暖差の厳しい風土である。西には、近江との境である伊吹山(標高1,377m)と、その東麓にある関ヶ原が控えており、古くから、東山道(後の中山道)の交通の要衝地として栄えた。なお、大垣の地名は、水害から防ぐ大きな垣根を家の周りに巡らしていた事が、由来になっている。

関ヶ原は、あの天下分け目の関ケ原の戦い(1600年)で有名であるが、壬申の乱(672年)後に設置された日本三関の関所のひとつ「不破の関」があった場所である。また、駅の南方500mにある大垣城は、関ヶ原の戦いの西軍の根拠地として、石田三成が入城した。

この大垣駅は、国鉄の前身である官設鉄道の駅として、明治17年(1884年)5月に開業した。JR東海道本線、樽見鉄道(旧・国鉄樽見線、昭和31年・1956年開業)と養老鉄道(大正2年・1913年開業)の接続駅として栄え、かつての大垣夜行やムーンライトながら号の終着駅になっている。関ヶ原の鉄道的難所や名古屋経済圏の人的移動方向から、豊橋・名古屋方面からの列車も、この駅で折り返す事が多い。また、駅の西方には、関ヶ原越えの蒸気機関車の補機を置いていた大垣機関区があり、現在は、JR東海大垣車両区として使用されている。

駅は、駅ビル「アピオ」に、南口改札が直結した橋上駅で、改装中になっている。ホームは五面七線と側線、乗り場は7番線まである大きな駅で、養老鉄道線のホームは別に隣接し、1番線ホームにある連絡改札口で結ばれている。また、東海道本線の支線である美濃赤坂支線と垂井支線も、この駅から分岐している。


(JR大垣駅ホーム。)

改札は出ずに跨線橋を渡り、北側の6番線ホームに向かおう。名古屋寄りのホーム端に樽見鉄道の乗り場があり、向かう人はあまり居ない様子である。


(北側の6番線ホームへ。)

ホーム上にプレハブ風の詰所があり、樽見鉄道の駅事務室と切符売場がある。色々とポスターや写真が貼ってあるが、改札は設置されていない。出札口の営業時間は、朝8時から夕方16時までで、1日フリー切符を駅員氏に発券して貰おう。


(樽見鉄道の駅事務室。)

(出札口周辺。)

今日利用する「樽見鉄道1日フリー乗車券」(大人2,200円)は、大垣駅から終点樽見駅までの片道大人運賃900円の往復分よりも高いが、樽見町にある温泉施設の「うすずみ温泉入浴券(日帰り/貸タオル付き)」が付いている。入浴料金は、タオル無し大人850円(12歳以上)なので、差額分とタオル代が得になっている。
うすずみ温泉四季彩館公式HP


(1日フリー乗車券。うすずみ温泉の入浴券が付いている。)

外壁に掲げられている駅時刻表を見ると、朝夕のラッシュ時は1時間に2本、日中は1本程度で、終点の樽見行きと本巣(もとす)行きが、大凡、半分ずつになっている。午前中は、終点・樽見行きの列車が少なく、7時15分発の次は、2時間後の9時10分発になる。


(駅時刻表。)

6番線に本巣行き8時40分発が、待っている。この部分は切り欠き状になっていて、手前の凸部分に7番線があり、朝の7時48分発本巣行きの1本のみが、このホームから発車する。また、6番線の北側には、架線のある側線も敷かれているが、使われているかは不明である。かつては、駅周辺の工場への引き込み線があった。


(6番線に入線している下り本巣行き列車。)

樽見鉄道は、全線非電化路線の為、気動車のワンマン運転になっている。このハイモ295-516は、樽見鉄道標準塗色である水色地に紅白帯の爽やかな塗色で、貫通扉に社章が入り、豪雪地帯の路線である為、大型のスノープラウ(排雪器)を装着する。


(ハイモ295-516。)

早速、乗車しよう。平成17年(2005年)導入の新しい車両なので、最近の軽快気動車の標準的な仕様になっている。新潟トランシス製であるが、事業譲渡された富士重工製の気動車設計が元になっている。


(ハイも295-516の乗降ステップ。)

(ハイモ295-516の運転台。)

大垣・西美濃観光ポータル「水都旅」(大垣観光協会公式HP)

(つづく)


2017年7月28日 FC2ブログから保存・文章修正・校正
2017年7月28日 音声自動読み上げ校正

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