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【停車駅】〓→長良川本流を渡る鉄橋、】【→トンネル
深戸739=】【=】【=〓=相生=〓==】【=750郡上八幡
下り北濃行(ナガラ300形(305)単行)
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深戸駅を7時39分に発車する。町を抜けると、長良川の流れが左に再び寄り添って来る。東海北陸自動車道の二本の青い巨大アーチ橋の根元を潜り、そのまま、第九トンネルに突入する。この先のふたつのトンネルを抜けるまでは、川谷がかなり狭まっている難所区間になっている。こんなに狭い川谷にも、水田が広がり、川から水を引き、田起こしをしている。
(第九トンネル先付近の長良川。川幅は100m程度しかない。車窓から下流方を撮影。)
(田起し中の水田。後ろの山の斜面も、急である。)
次の長い第十トンネルを抜け、後方を見ると、地元名所の通称「トリプルトンネル」があり、三段四カ所にトンネル出入口が並んでいるのが見える。折り畳む様にS字に長良川が急蛇行し、両側の山が川岸まで迫っている沿線一番の難所になっており、旧郡上街道は、深戸から相生までの間、山の中に迂回していた程であった。
マピオン電子地図・トリプルトンネル付近
上の2本のコンクリート橋が東海北陸自動車道の上下線、青い鉄橋とその右の四角いトンネルが長良川鉄道、左から2本目の丸い橋脚の後ろに国道156号線のトンネルがある。トンネル名は、東海北陸自動車道は深沢トンネル(平成6年開通・長さ832m)、長良川鉄道は第十トンネル(昭和4年開通)、国道156号線は名津佐トンネル(旧国道の付け替えの為、平成7年開通・長さ291m)である。
(トリプルトンネル。小さな丸いアーチは、国道トンネル出入口の側面。後方を拡大ズーム撮影。)
(国土地理院国土電子Web・長良川鉄道第十トンネル出口付近。)
トリプルトンネルを抜け、名津佐集落を過ぎると、長良川の崖上を走るハイライト区間に差し掛かる。左窓下を眺めると、まるで川の上を走る感じである。この先は、川から離れる区間が多く、鉄橋以外では、川面は見えにくくなる。
(名津佐集落先の崖上ハイライト区間。※帰りの列車から撮影。)
そして、この長良川鉄道を代表する鉄橋の第五長良川橋梁を渡る。中央のトラス部は、東海道本線の静岡県中部にある大井川鉄橋を、昭和35年(1960年)に移設したと言う。明治44年(1911年)に製造されたアメリカン・ブリッジ社製の貴重な輸入トラス橋になっている。
(第五長良川橋梁全景。ウィキペディア公開ファイルより引用。撮影者・手練 ※撮影者の共有許諾画像。)
この先の郡上八幡までの区間は、カーブは大きく緩やかであるが、側に寄ったり、川に寄ったり、車窓の変化も激しい。相生駅を発車後、長良川の西岸を別れると、山が迫った緑の多い長閑な農村地帯の中を走る。そして、視界が開けると、第六長良川橋梁を渡り、長良川西岸から東岸に渡る。
(第六長良川橋梁を渡る。上流方を撮影。)
第六長良川橋梁を渡った後、大きく左カーブし、再び、長良川と国道に寄り添うと、中野トンネル(長良川鉄道第十一トンネル)を通過する。全長わずか7.0m、現在の車両一両分の長さの約半分しかなく、通過はあっと言う間である。
国鉄公認の最短トンネルとして、有名であったと言う。なお、吾妻線の樽沢トンネルが最短とよく言われるが、誤りであり、現在のJR線全線においてになる。樽沢トンネルは長さ7.2mになっており、八ッ場ダム建設による新線付け替えにより、廃線になる予定である(※2)。
(グーグルマップストリートビュー・長良川鉄道第十トンネル付近。)
徐々に左右の建物も多くなり、町中に入って行くと、美濃太田駅から約1時間半、沿線一の途中主要駅である郡上八幡駅に到着。二面三線のホームと大型木造駅舎がある大きな駅には、地元乗客や観光客で混んでいる。ここで、上り列車のナガラ500形(502)単行と列車交換になる。
昭和4年(1929年)の深戸駅からの延伸開通時に開業、起点駅の美濃太田から46.9km地点、25駅目、所要時間約1時間30分、郡上市八幡町稲沢、標高210mになり、美濃太田駅から142m登って来た事になる。山中を走るが、この駅までの路線キロに対しての平均勾配率は3.0‰(パーミル)と低く、典型的な川線になっている。
(郡上八幡駅に下り2番線に到着。最後部から、後方を撮影。)
郡上八幡は、狭い谷間に町が広がる城下町になっており、観光にやって来る人達も多い。勿論、帰りに寄ってみよう。
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【停車駅】
郡上八幡752==自然園前==801山田
下り北濃行(ナガラ300形(305)単行)
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7時52分、「フィッ」と短い空気式汽笛をお互いに鳴らし、郡上八幡駅を先発する。なお、この先の山田駅までの区間が、車窓から見える長良川の一番の見所になっており、広い川谷の中の緩やかな上り勾配が長く続く。
(郡上八幡駅を発車。最後部から、後方を撮影。)
駅の北側にある国道156号線をアンダーパスし、町中を少し走ると、国道も再び並走し、緩い左カーブの先に三つの青い鉄橋が見えてくる。長良川本流を渡る橋は東海北陸自動車道の郡上八幡インターに接続し、線路に並行する国道の道路橋と歩道橋になっている。鉄道橋も入れ、四つもの川橋が一箇所に集まるのは、全国的に珍しいと言う。ここは、長良川支流の吉田川が、ほぼ直角に合流する場所になっており、郡上八幡の中心地は駅周辺ではなく、この右手の吉田川上流方向にある。
(グーグルマップストリートビュー・吉田川合流地点の4つの鉄橋群。)
鉄橋を渡り、暫く、国道156号線と並行する直線の線路が約1.3km続く。緩い上り勾配を力行し、国道を走る車よりも速い。その先の緩い右カーブを過ぎると、長良川が左に見えて来る。
この付近から、東側から山が迫り、線路と川の距離が近くなる。大きく左に90度近くカーブをしながら、落石防止の覆いを過ぎた50kmポスト付近は、長良川ギリギリに寄って走るハイライト区間になっている。しかし、景色は良いが、昔から災害が多い区間であったと言う。対岸には、桜が植えられており、春の雰囲気を楽しませてくれる。
マピオン電子地図・長良川鉄道50kmポスト付近
(50kmポスト付近。車窓から、後方の郡上八幡方を撮影。)
東海北陸道の高架橋の下を潜り、国道と別れ、左に川と田んぼを見ながら走ると、単式一線の自然園前駅に停車。この駅は昭和61年(1986年)の第三セクター化した際に新設された小さな待合所のみの無人駅になっている。駅周辺には、美しい田圃が広がり、水を湛えた用水路はたぷたぷと流れている。
マピオン電子地図・自然公園前駅
(自然公園前駅からの美しい田圃。)
自然園前駅を発車すると、直ぐに、長良川鉄道の最後の第十二トンネルに入る。トンネルを抜け、大きな左カーブの先にある緩やかな逆S字カーブの52kmポスト付近も、川にギリギリに寄って走り、列車速度も速く、とてもスリリングである。
マピオン電子地図・長良川鉄道52kmポスト付近
長良川は、高知県の四万十川、静岡県の柿田川と並ぶ、日本三大清流のひとつになっており、本流にダムがひとつも無く、水量の多い大変綺麗な川である。この上流域は、広大な谷底平野が広がっており、余りにも谷幅が広く、ダムを造る事が出来なかったと言う。その為、上流域に関わらず、遠くまで見通せる美しい景色になっている。
(52kmポスト付近の長良川。)
長良川から離れ、列車が減速すると、東海北陸道の高架橋と交差する場所にある山田駅に到着。昭和7年(1932年)開業の貨物も扱う有人駅であったが、今は、単式一線のひっそりとした無人駅になっている。郡上八幡方の高架橋下には、ポイント跡と貨物側線、貨物ホーム跡が残っている。ホームの向かいを見ると、桜並木があり、半分は葉桜になっている。
(山田駅の桜並木。)
(つづく)
2017年8月17日 ブログから保存・文章修正・校正
2017年8月17日 文章修正・音声自動読み上げ校正
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