樽見鉄道の主な鉄橋について。まとめてみようと思う。樽見鉄道は、根尾川を何度も鉄橋で渡り、これも大きな見所になっている。なお、揖斐川に1つ、根尾川本流に10、根尾川の支流に6つ(※)の橋が架かっている。手持ちの記録写真を、国土地理院の1/25,000地図に、照らし合わせてみた。
◆樽見鉄道樽見線の主な鉄道橋一覧◆
・根尾川本流の鉄道橋は、最下流から、第一、第二と、根尾川橋梁と名称が付く。
・特記無き、鉄橋とレールの間は、木枕木で開床式(下の川面が見える)。
・レールの間に、保線用の犬走り(通路)がある。
・特記無き、トラス鉄橋は、平行弦スルートラス構造。
・地図に未掲載の小川、農業用水と思われる川や、農道等を跨ぐ小橋は除く。
・調査は、2010年5月上旬の訪問時。
走行中の記録写真を入念に調査したが、実際との相違の場合は、ご容赦願いたい。
転載は不可。
名称 | 橋タイプ | 架橋時期・区間 | 特記 |
---|---|---|---|
揖斐川橋梁 (樽見鉄道) |
トラス鉄橋 (曲弦型) |
国鉄時代 東大垣〜横谷間 |
下流側に通路部 床面鉄板張り 元国鉄・御殿場線の橋梁 大垣方から1連目は大正5年 (1916年)製造の 川崎造船製で、 これのみ平行弦型 2〜6連は明治33年(1900年) 製造のAアンドP・ロバーツ製 の曲弦型とのこと |
支流と道路を跨ぐ橋 ※名称は不明 |
不明 | 国鉄時代 織部〜木知原間 |
一本目のトンネルの 手前盛土部 道路と支流を両方跨ぐ? 支流は土管で、 トンネルの可能あり 道床はバラスト コンクリート橋かも? |
支流の橋 ※名称は不明 |
不明 | 国鉄時代 織部〜木知原間 |
木知原駅ホームの 南端の下にあり 道床はバラスト コンクリート橋かも? |
第一根尾川橋梁 | ガーター鉄橋 とトラス鉄橋 |
国鉄時代 木知原〜谷汲口間 |
谷汲口駅ホームから トラス上部が見える 下流側に通路部 床面鉄板張り トラス部は元東海道本線の 木曽川橋梁を移設 明治43年(1910年)製造の アメリカンブリッジ社製 |
支流の橋 ※名称は不明 |
コンクリート橋 | 国鉄時代 谷汲口〜神海間 |
谷汲口駅の先 片側の合流側に通路部あり 道床はバラスト |
第二根尾川橋梁 | ガーター鉄橋 | 国鉄時代 谷汲口〜神海間 |
鉄橋上でカーブあり 下流側のみ通路部あり 通路部のみ床面鉄板張り |
支流の橋 ※名称は不明 |
不明 | 国鉄時代 谷汲口〜神海間 |
神海駅手前 支流の上流側に待避所1箇所有 道床はバラスト コンクリート橋かも? |
第三根尾川橋梁 | ガーター鉄橋 | 新線区間 神海〜高科間 |
下流側に退避所複数あり |
支流の橋 ※名称は不明 |
コンクリート橋 | 新線区間 高科〜鍋原間 |
高科駅の先、踏切を越えた所 両サイド通路部あり 道床はバラスト |
第四根尾川橋梁 | トラス鉄橋 | 新線区間 高科〜鍋原間 |
鍋原駅の手前 広幅でトラス外側にも 床面が迫り出す レールは鉄骨に固定 (枕木無し) 両サイドに通路部あり 床面は全面金網張り |
第五根尾川橋梁 | ガーター鉄橋 | 新線区間 鍋原〜日当間 |
鍋原駅の先 鉄橋上でカーブあり 観光案内あり (下り列車は徐行運転) レールは鉄骨に固定 (枕木無し) 両サイドに迫り出し状の 通路部あり 道床部は床面鉄板張り 通路部は床面金網張り |
第六根尾川橋梁 | トラス鉄橋と ガーター鉄橋 |
新線区間 鍋原〜日当間 |
根尾川の蛇行部に架橋 上流側に待避所複数あり |
第七根尾川橋梁 | トラス鉄橋 | 新線区間 鍋原〜日当間 |
根尾川の蛇行部に架橋 下流側に待避所複数あり |
第八根尾川橋梁 | トラス鉄橋 | 新線区間 鍋原〜日当間 |
根尾川の蛇行部に架橋 上流側に待避所複数あり |
第九根尾川橋梁 | トラス鉄橋 | 新線区間 日当〜高尾間 |
下流側に待避所複数あり |
支流の鉄橋 ※名称は不明 |
ガーター鉄橋 | 新線区間 高尾〜水鳥間 |
ふたつのトンネルに 挟まれた場所 支流の上流側に待避所1箇所有 |
道路を跨ぐ橋 ※名称は不明 |
コンクリート橋 | 新線区間 水鳥〜樽見間 |
水鳥駅の手前 集落の旧道を跨ぐ 両サイドは高いコンクリート壁 両側に通路部あり 道床はバラスト |
第十根尾川橋梁 | コンクリート橋 | 新線区間 水鳥〜樽見間 |
コンクリート橋の中で 一番長い 広幅で両側に通路部あり 道床はバラスト |
◆根尾川本流を渡る鉄橋について◆
【揖斐川橋梁】
東大垣〜横谷間。国鉄御殿場線から移設した。
大垣方の一連目のみ、大正5年(1916年)製造の国産川崎造船製で、平行弦型トラス。
二連から六連目が、明治33年(1900年)製造のアメリカ・AアンドP・ロバーツ社製の
輸入曲弦型トラスになっている。
【第一根尾川橋梁】
木知原〜谷汲口間。東海道本線木曽川橋梁を移設。
明治43年(1910年)製造のアメリカンブリッジ社製輸入トラス鉄橋。
【第二根尾川橋梁】
谷汲口〜神海間。カーブしているデッキガーター鉄橋。
【第三根尾川橋梁】
神海〜高科間(新線区間)。長いデッキガーター鉄橋。
【第四根尾川橋梁】
高科〜鍋原間(新線区間)。全面金網張り、珍しい枕木無しのトラス橋。
【第五根尾川橋梁】
鍋原〜日当間(新線区間)。金山渓谷の名勝地にかかるデッキガーター鉄橋。
【第六根尾川橋梁】
鍋原〜日当間(新線区間)。舟山トンネルを出た先の根尾川蛇行部に架かるトラス鉄橋。
一部、デッキガーター部あり。
【第七根尾川橋梁】
鍋原〜日当間(新線区間)。宇津志トンネル手前の根尾川蛇行部に架かるトラス鉄橋。
【第八根尾川橋梁】
鍋原〜日当間(新線区間)。日当駅手前の根尾川蛇行部に架かるトラス鉄橋。
【第九根尾川橋梁】
日当〜高尾間(新線区間)。金山渓谷の上流側入り口にあるトラス橋。
【第十根尾川橋梁】
水鳥〜樽見間(新線区間)。樽見駅手前の根尾谷本流に架かる唯一のプレストコンクリート(PC)橋。
(つづく)
2017年7月28日 FC2ブログから保存・文章修正・校正・地図追加
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