長鉄線紀行(14)美濃市駅

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大矢1624======1647美濃太田
上り16D 普通 美濃太田行き
ナガラ300形(306・303)2両編成
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下り列車と列車交換後、16時24分に発車。昔懐かしい大矢駅とお別れである。日も少し傾いて来たが、まだ明るい。最後に、美濃市駅に行ってみよう。この列車の先頭車は、広告ラッピング車のナガラ306(ロングシート車)、後方車両は303(セミクロスシート車)の2両編成になっており、郡上八幡からの帰りの観光客でかなり混んでいる。20分程度の乗車なので、先頭車の前寄りに陣取る。

次のみなみ子宝温泉駅では、纏まった人数の乗降がある。春の陽気で汗ばんだので、本当は温泉に寄りたい所であるが、次の機会にしよう。

夕刻迫る長良川に沿って、時速50-60㎞の速度で軽快に走る。川面も時々見えるが、川辺の木々の中を走る区間も多く、車窓が目まぐるしく変わる。運転士の背中を見ていると、列車に合わせて、左右にかなり揺れるので、何だか楽しい。


(列車に揺られて運転をする運転士。運転室は結構狭い。)

川谷を抜け、濃尾平野の北端に線路が出ると、梅山駅に停車し、次の美濃市駅の下り2番線に到着する。4両編成が停まれる島式ホームは、構造の違う旅客上屋と待合所がある。なお、平成25年(2013年)に、ホームと旅客上屋は、国登録有形文化財に指定された開業当時のものであるが、昭和12年(1937年)と昭和29年(1954年)に改修されている。長さ98mの玉石積み擁壁のホームは、気動車のステップ高まで、嵩上げをしてある。


(美濃市駅に到着。)

古レールを使った旅客上屋は、美濃太田寄りが国鉄風Y字一本支柱の逆三角形屋根、郡上八幡寄りがY字並列支柱の三角屋根になっており、下見板張りの木造待合室を挟んで構造が違う為、造られた時期が違うらしい。郡上八幡方が、開業当時の古い感じであるが、長さは1両分程度と短くなっている。


(郡上八幡寄りの古い旅客上屋。待合室が通り抜けになり、上屋代わりになっている。)

暫くすると、湯の洞温泉口行き下り列車と交換があり、青白帯のナガラ500形(501)が到着。平成19年(2007年)の新しい導入車は、マスコットキャラクターのギャラリー列車になっている。ふたつの列車は暫く停車した後、お互いに汽笛を鳴らし、発車して行く。


(ナガラ501。全国豊かな海づくり大会のマスコットキャラクター・ヤマリンが展示されていた。)

山の麓の高台にあり、ホームより一段低い位置に駅舎がある。大正12年(1923年)10月に国鉄越美南線美濃町駅として、初開通時に開業し、大正15年(1926年)7月の板取口駅(現・湯の洞温泉口駅)延伸開業まで、約3年間は終着駅になっていた。起点の美濃太田駅からは17.7km、11駅目、所要時間約30分、美濃市亀野町、標高90mの駅員配置駅になる。小さいながらも、美濃市の玄関駅として、一日200人程度の乗降客がある。


(ホームから駅舎本屋。)

また、長良川鉄道としては、珍しい島式一面二線のホームを南北に配している。ホームから離れた郡上八幡方に2本の側線もあり、保線車両の留置線として使われ、廃車解体も行われている。美濃太田寄りのホーム向かいの大きい保線小屋は、現在も使われている様子である。手前に広いスペースがあるので、かつては、側線があったのかもしれない。


(ホーム向かいの保線小屋。倉庫として、使われているらしい。)

改札口に行ってみよう。美濃太田方に下り1番線を潜る連絡地下道があり、長良川鉄道ではこの駅だけになる。新しいと思いきや、天井や壁が黒く塗られた木造になっており、それなりに古い。


(美濃太田方の連絡地下道出入口。)

(連絡地下道階段。)

階段下から狭い通路を潜った先には、改札口と広さ15畳程の待合室がある。この国鉄風のステンレス製の改札ボックスも、長良川鉄道では珍しい。なお、駅員配置駅であるが、9時から18時までの時間限定駅になっている。長良川鉄道の社員配置有人駅で、始発から終日窓口業務をしているのは、最奥部の美濃白鳥駅(みのしろとり-)のみで、郡上八幡駅も9時から17時半までになっている。


(改札口周辺。)

駅前に出てみよう。大きなロータリー、駅舎隣のタクシー乗り場、名古屋駅行きの名鉄高速バスや地元路線バスの発着場がある。開業当時の古い駅舎であるが、大幅に改修されており、屋根や外壁がチグハグになっている。左側には、喫茶店がテナントで入っているが、閉店しているらしい。

この駅舎本屋も、国の登録有形文化財に指定されており、大正時代に建てられた駅舎は、平成7年(1995年)と平成14年(2002年)に改修されている。桁行24mの切妻造り平入り、広さ189平方メートルのトタン葺き木造平屋建て、西側に駅出入口と待合室、東側に列車閉塞の取り扱いも行う駅事務室と休憩所を配している。昔は、重厚な黒瓦葺き屋根であったと言う。


(駅舎出入口。)

駅前の広いロータリーには、屋根が立派な和風歓迎塔がある。「長良川 鮎は落ちても また来ておくれ も山紅葉の燃えるころ」と、詩人・西条八十(さいじょうやそ)の和歌が刻まれおり、地元ライオンズクラブが設置したらしい。なお、西条八十は地元人ではないが、有名な「蘇州夜曲」(そしゅうやきょく)の作詞者である。


(歓迎塔と美濃市駅。)

美濃市駅は松鞍山の北西麓にあり、駅と長良川の間に町が発達している。この美濃市には、古い宿場町の街並みが残っているので、日没まで散策してみよう。


(国土地理院国土電子Web・美濃市駅周辺。)

観光案内板を見ると、旧市街地は、駅から長良川の方向の約770m先にある。


(観光案内板。看板の一番下の赤い所が、美濃市駅の位置になる。)

(つづく)


2017年11月12日 ブログから保存・文章修正・校正
2017年11月12日 文章修正・音声自動読み上げ校正

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