遊覧船を降り、駅に戻る途中、船着場横の真珠店の片隅に小さな食堂がある。今日はまともに食べていないので、立ち寄ってみよう。店先の水槽には、活貝がいっぱい入っている。
(中義水産。)
(活貝がいっぱい入っている水槽。)
威勢の良い、駄洒落好きのマスターが、切り盛りしているオープンカウンター風の店でる。地元産の貝類を手頃な価格で、焼いて食べる事が出来る。厨房を囲むカウンター席に座り、早速、特製ラーメン(600円)を注文すると、直ぐに出てきた。見た目は普通の家庭風ラーメンであるが、貝の旨みがたっぷり効いていて、スープがすこぶる美味い。
(特製ラーメン。)
具がとても足りないので、イカ姿焼き(450円)とサザエ壺焼き(400円)を単品追加する。目の前のガスコンロで焼く事が出来、磯の香りや鮮度も抜群である。他、大アサリ、岩牡蠣、ウニ、帆立、海老、地元特産のアッペ貝(桧扇貝/帆立の仲間)もあり、アルコールも置いているので、ちょっと一杯も楽しめる。
(イカもプリプリとしている。)
(今では、高級貝のサザエも格安。)
壁に貼り出された店内のメニュー表によると、貝の単品が300円位から、大アサリ・サザエ・帆立の貝三品セット1,300円、ミニバーベキューセットは2,300円からとの事。予め、貝は丁寧に蒸してあるので、火の通りも早い。
大将の話では、先代が観光客相手に貝焼き小屋をここで営んでいたそうで、数年前にカウンター風の店に改装したと言う。立ち寄る観光客も多く、とても繁盛している。
【中義水産(なかよしすいさん)】
年中無休(但し、雨天は休み)、営業時間9時30分から15時頃まで。専用駐車場なし。
食べログ・三重賢島「貝バーベキュー中義水産」
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賢島1649===近鉄志摩線===1728鳥羽(JR線に乗り換え)
上り普通 伊勢中川行き 2両編成(車番1231に乗車)
鳥羽1732====JR線・伊勢鉄道経由====1927名古屋(終)
上り快速みえ22号 名古屋行き 2両編成・名古屋方1号車(キハ75-301に乗車)
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遅い昼食を済ませ、大将に挨拶をして、賢島駅に戻ろう。駅コインロッカーのバックを回収し、16時49分発の伊勢中川行きで鳥羽駅まで戻る。隣のホームの名古屋行きと京都行きの特急を眺めながら待っていると、可愛いラッピング電車が到着する。
(発車を待つ、名古屋と京都行き特急。)
(ラッピング電車。元の車両は、ローカル線用の近鉄1220系である。)
このラッピング電車に乗り、賢島駅を16時49分に発車。志摩の山中を再び走り、17時28分に鳥羽駅に到着する。JRホーム1番線に待機している「快速みえ22号」に直ぐに乗り換え、名古屋に戻ろう。鳥羽駅を定刻の17時32分に発車。途中の池の浦も夕暮れの凪になっていて、海面がシンとしている。
(池の浦の凪。)
鳥羽駅での乗車率は座席の3割程度であったが、伊勢市駅に到着すると、帰りの観光客で満席になる。また、普通列車との列車交換時は、無停車で優先通過するが、田丸駅で珍しく停車する。この田丸駅には、大正元年(1912年)築の参宮線唯一の木造駅舎がある。
(田丸駅。※ウィキペディア公開ファイルより、撮影者の共有許諾画像。)
松坂駅の近くで、鳥羽駅まで乗車した近鉄のラッピング電車を追い抜く。伊勢鉄道を経由し、四日市駅からは、通勤ラッシュ並に車内が混雑してきた。外はもう日没で何も見えず、ディーゼルエンジン音を大きく轟かせながら、関西本線を疾走する。そして、鳥羽駅から所要時間約2時間の19時27分、無事に名古屋駅に到着する。ゴールデンウィークの最終日のため、帰宅する行楽客や観光客で少しラッシュしている。座り心地の良い簡易リクライニングシートなので、全く座り疲れなかった。
(名古屋駅に到着する快速みえ22号。)
到着後、キハ85系の特急ひだや南紀をホームで撮影していると、JR東海の検測車キヤ95系がやって来た。実車を見るのは初めてである。3両編成の高性能気動車で、電化・非電化路線を問わずに運用され、架線、線路、信号等のチェックを総合的に行う検査測定用の車両である。気動車でありながら、測定用のパンタグラフを搭載しているのがユニークである。窓から車内を覗くと、座席はなく、測定用機器が所狭しに並んでいる。
(JR東海キヤ95系。)
今晩は、名古屋駅前のビジネスホテルに、もう一泊する。夕食は、名古屋駅名物の有名駅弁「松浦のみそカツ」にしようと思い、高山と長野方面行きの特急ホームの10・11番線ホーム端の駅弁屋さんに向かう。しかし、みそカツ駅弁を含めて、駅弁は完売していた。駅弁屋の中年女性店員に、まだありそうな構内売店を教えて貰ったが、そこも売り切れており、代わりのあなご弁当(950円)を購入して、ホテルに向かう。
やっと、21時過ぎにチェックインする。安眠出来ることで有名な大手ビジネスホテルなので、今夜は良く眠れそうである。空腹であるので、風呂の前に駅弁を食べよう。JR東海グループ会社謹製の広域販売駅弁ため、名古屋名物ではないが、穴子も柔らかく、茶飯にタレがよく染み、意外に旨い。ちなみに、チェックイン後はあまり外の繁華街に食事に出ず、ホテル内で駅弁を食べる事が多い。これも、鉄道旅の楽しみのひとつである。
(あなご弁当。)
(付け合せも多く、十分な量である。)
チェックイン前に立ち寄ったコンビニで、味噌かつ駅弁を逃したので、ご当地カップうどん「名古屋名物みそ煮込みうどん」も購入した。ご当地メーカーの寿がきやの製品である。関東エリアでは、ショッピングセンター等に入っているファーストフード店や甘味処の方が有名であろう(※)。
(みそ煮込みうどん。湯戻し時間は5分と長い。)
名古屋地元の出汁の利いた赤味噌仕立てだが、関東人の自分にとっては馴染みが無いので、何となくいまいちに感じてしまう。しかし、大手コンビニにも置いてあるので、こちらでは大きな市民権があるらしい。なお、知人に聞いた所によると、これに玉子を落とすと美味しいという。
寿がきや食品公式HP
(具はなく、素うどんである。)
明日訪問予定の樽見鉄道の情報を、ホテル備え付けの無料パソコンでチェックする。入浴後に缶チューハイを一本飲んで、早めに休もう。
(伊勢志摩めぐり/終)
【訪問日】2010年5月5日(美濃三鉄めぐりの旅の中日)
【カメラ】PENTAX Optio S10
(※)現在、関東から完全に撤退している。
2020年4月14日 ブログから転載・文章修正・校正。
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